初めは、私の方がずっと上だった


あとをついてくる貴女は、無邪気で・・・


私を敬う言葉

控えめな仕草

愛らしい瞳


すべてが、私に向けられていて・・・

私を満足させてくれた


愛おしいとさえ

思えるほどだった



でも、私の才能と同じか、それ以上のモノを

貴女は持っていた


初めは、私の方がずっと上だと思っていた


連れて歩いて、私を引き立てる存在

それが貴女


そう在るべきだった


でも、違った。


周りはそれを許さなかった


私と並び立つと、はっきりとわかる。

誰しもがわかってしまう華。


私が気付いていなかった。

私と出会ったことで貴女は花開いた。


貴女は、変わらずに私を敬い、控え

愛らしい瞳をこちらへ向けている


でも、もう満足はできない

それは、現実とは違う


嫌味よ。


憎い。


あんたは満足してるんでしょう?

あんたを見る周りの目は変わった


綺麗で、才能に溢れていて

愛らしくて、みんなが必要としてる


みんながあんたの名前を知ってる

名前を呼んでる


求めてる


私はもういらない。

私がいた場所は、あんたの場所になった


どうして?


認められない。


絶対に嫌。



鏡を見る度にムカつく。

私は嫌な顔になってる


こんなんじゃダメ。誰も振り向かない


でも、この気持ちが止められない


真っ黒に汚れて、串刺しになった心から

吹き出すように出る黒い血が、私になる・・・。


私は抵抗した


精一杯抵抗はしたの


でも、無理だった。


この気持ちは、そのほかの何より強かった

強すぎた。


だから、受け入れるしかない・・・。


そうね。初めは、私が上だった。

間違いない。


だから、初めに戻ればいい


アイツのいなかった、初めに・・・。


そう考えたら、笑えた。

可笑しくて、可笑しくて、可笑しくて


心の底から笑えた。



最近の私はどうかしていたわ


小さなことで、ウジウジと悩んで


ほんとバカみたいね。



私の人生にアイツは要らないわ。



さあ、これから消しに行きましょう。

でも、やり方は考えなくちゃ。



あぁ、なんて楽しいんでしょう


最高だわ


これぞ生きてるって感じね。



私、早く貴女に逢いたいわ


もうすぐだから



待っててね・・・




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ヒトは望んで変わる。


その望みは、ちゃんと心の奥底から生まれる。