「初めまして、木男です。」


いわゆる木人です。


え?初めてですか?木人は?


そうですかそうですか。


あそこに生えている木がありますよね?あれと、僕ね、同じ生き物です。


「まさにボクですよね」


あ、これ鉄板ネタなんですけどダメでした?


え?仕事?


私は薬局に勤めてますよ、友人はマッサージ店で、整体師をやっています。



意外ですか?



我々が役に立つ仕事って結構少ないんですよ。

はっきり言って、火に絡むのは、全般的にNGですし。移動は「足がこんなだもんで」

時間がかかります。



え?車ですか?



ありゃ駄目ですよ。運転はできますけど、あれ一台の為に、仲間がどれだけ死ぬか。

無理無理。


いやね、ここだけの話、「かっこいいなー」とは思うんですよ。便利だしね。



でも、それが走る時。



木、何本燃えると思います?



知らないでしょ?



知らないと乗れるんですよ~、知っちゃったら無理ですよ。絶対乗れませんって。

あんた達も人間の血が燃料の、ヒューマンクリーンエネルギーって言われたら

ちょっと、構えちゃうでしょ?



あ、いけない。


それ、僕の薬局で研究してるんですよ。





というわけで、あなたの血、貰いますね。



「いいでしょ、あんたらたくさんいるから・・・・。」






                END